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『最高のお葬式 最高のご供養』 [その他色々]

「未来の住職塾」で共に学んだ曹洞宗僧侶 小黒澤和常さんの初著書『最高のお葬式 最高のご供養』を紹介いたします。
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仏教はそもそも、生きている人間が悟りを目指すことを目的に始まったものであって、亡き方の葬儀や供養をするために始まったものではありません。

ところが、いつしか仏教(だけでなく他宗教でもそうですが)は葬送儀礼を司るようになり、日本ではそれに傾き過ぎた流れを「葬式仏教」と呼んで警鐘を鳴らす場合もあります。それに対抗する動きとして、最近はエンゲイジド・ブッディズム(社会参加型仏教)という言葉もある通り、生きている人の悩みや苦しみにアプローチする僧侶も多くなりました。


しかしこの本は、その流れに逆行するようなタイトルで異彩を放っています。
それもそのはず、著者の小黒澤和常さんが副住職を務める気仙沼市の松岩寺さんは、大きな落盤事故で犠牲になった方々を追悼するために建立された、まさに「供養のためのお寺」だったのです。

また小黒澤さんが修行中、東日本大震災が発生しました。気仙沼にある松岩寺も周囲のお檀家さんたちも多大な被害を受け、亡くなった方も大勢いらしたそうです。僧侶としてスタートを切りつつあった時に起きた大災害に、より「供養」という思いを強くしたことは想像に難くありません。
その思いが結実したのが、この『最高のお葬式 最高のご供養』でした。


小黒澤さんは未来の住職塾に在籍中、また卒業後も非常に熱心に学ぶ姿勢を見せてくれました。普段は東北に在住しているものの、都内で勉強会があると必ずと言っていいほど顔を出していました。その学びをまとめ、本にしたいという話は計画段階から聞いていましたが、失礼を承知で言えば「広く、浅く」というものになるのではないかと思っていました。

第3章は「挑戦するお寺」と題され、様々な活動をする寺や僧侶が紹介されています。私もワークショップ「死の体験旅行」を中心に紹介していただいていましたので、協力御礼ということで発売直前に本が届きました。そして、出版前の懸念が杞憂に終わったことに気づかされたのです。

内容は多岐にわたりますので「広く」と表現できますが、ひとつひとつの中身は決して「浅く」ではなく、彼が足で集めた情報が惜しげも無く盛り込まれています。現在日本の仏教界を、これほど網羅しているものはないのではないか、と感じました。


また、小黒澤さんは僧侶になる以前はファイナンシャルプランナーという職業に就いていたことも、独自の視点を養う要因となっています。多くの僧侶は「お金」の動きにうとく、また口にすることを憚る風潮があります。しかしFPというお金の専門家としての顔を持つ彼は、忌憚なくそこに触れていきます。それは経済活動の中で生きる現代日本人にとっては「分かりやすい」という評価に繋がるものだと思います。


タイトルの「葬儀」や「供養」に強い関心が無くても、全般的に非常に興味深く読めるお勧めの一冊です。

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