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2009年3月号 [和庵だより]

「通夜振る舞い」

 もともとお通夜は、家族や親族などごく近い者の、故人との別れの場でした。しかし最近では仕事や学校が終わって駆けつける、という方が多いからでしょうか、お通夜に大勢の弔問客がいらして葬儀の方が人数が少ない、という場合が多いようです。
 また、お通夜の後に出される食事は「通夜振る舞い」と言い、皆さんも「供養ですから」などと言われて口にした経験がおありだと思います。

 最近この通夜振る舞いが、以前にも増して豪華になり驚いています。本来は精進料理であるべきなのに、肉に魚に天ぷらにケーキ。中には板前さんがその場で注文を聞く寿司カウンターまで出てきたようです。
 まだ式場では通夜が続き読経が続く中、早々と焼香を終えた弔問客が通夜振る舞いの席に移動します。すると豪華な食事とお酒を前にして大宴会が始まり、ゲラゲラと大きな笑い声が響き渡る事さえあります。

 仕事の関係などで、故人と全く面識のない方もいるでしょう。また旧友と久しぶりに顔を合わせた方もあるでしょう。しかしお通夜は宴会ではなく故人との別れの場です。せめて静かに食事をして、あまり長居をしないというのが最低限のマナーではないでしょうか。旧交を温めたいというのであれば、近所の飲食店などに場を移し、あらためて賑やかに語り合えば良いのではないかと思います。


仏教のことば「精進」

 「精進します」と言えば「集中して努力をする」という意になり「料理」がつけば菜食の事を指しますが、この言葉も仏教のことばです。
 修行を完成させ、悟りを得るための正しい努力を「正精進」と言いますので、前述の「集中して努力をする」という意味とほぼ変わりません。ではなぜこの言葉が「野菜料理」という意味も持つようになったのでしょうか。

 「精進潔斎(けっさい)」という言葉があります。これは神道の影響を受けた言葉で「肉食を断ち、行いを慎んで身を清める事」という意です。人の死に立ち会って穢れた自分の身を清める、という意味合いでしょうか。

 先日お檀家さんのお通夜に伺ったのですが、通夜振る舞いの食事が珍しい事に精進料理でした。湯葉や漬け物を使ったお寿司、うどんや煮物、野菜の天ぷら等々、肉や魚を使うよりも手間がかかるであろう品々が並んでいました。聞けばその葬儀社のポリシーで精進料理を出しているそうで、非常に感激をしました。
 浄土真宗では清める・穢れる、という考え方はしませんし、肉や魚を食べる事もタブーではありません。しかし縁のある方がいのちを終えた、その通夜の場ではせめて精進料理を口にしても良いのではないでしょうか。そしていのちの尊さ儚さに思いを馳せる良縁としたいものです。

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