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2018年8月号 [和庵だより]

◇ 坊さんぽ 大阪編 ◇

 散歩をしに行ったわけではありませんが、7月上旬に大阪で講師に招かれ、以前からお参りに伺いたかったお寺を巡って参りました。


 まずはお招き頂いた本願寺派の別院、北御堂大谷派の別院である南御堂と同じ大通りに面し、御堂筋の名前の由来になりました。『雨の御堂筋』という人気曲もあり、そのイメージで勝手にネオン街を想像していましたが、東京で言えば丸の内や大手町のような大通りでした。また本願寺派の北御堂も大谷派の南御堂も、巨大といっていいほどの立派な寺院でした。

 浄土宗の一心寺。こちらは参詣者が納めたお骨を材料に、10年ごとに「骨仏」と呼ばれる仏像を作り安置しているお寺です。だいたい等身大ほどの阿弥陀如来座像ですが、あまりにも参詣者が多いので、実際に仏像に使われるお骨はほんの一部だろう、と地元の方は仰っていました。

 和宗の四天王寺。こちらは聖徳太子建立と伝わる日本最古の寺院のひとつ。今は「供養の総合デパート」といった雰囲気ですが、聖徳太子の時代には民衆救済の寺として知られていて、境内には療病院(病院施設)・施薬院(薬局)・悲田院(傷病人・障害者・高齢者の入居施設)が立ち並んでいたそうです。

 臨済宗系の往生院六萬寺。こちらは有名観光寺院ではなく、「お坊さんQ&A ハスノハ」で共に回答僧をつとめる川口英俊さんのお寺。
 境内奥に広がる山に、古来の修験者が修行していた滝が見つかり、つい先日滝行を復活させたというので、お誘いを受け人生初の滝行を体験させて頂きました。夏場なので涼しくていいな、と思いきや、やはり山の水は冷たく、ほんの数分滝に打たれるのが精一杯でした。


◎ お 知 ら せ & ◇ ご 報 告

◎盂蘭盆会法要 なごみ庵にて 8月12日(日)10時30分より
なごみ庵では7月・8月のいずれもお盆法要をお勤めいたします。
出席のご予定の方は、準備の都合上、なるべくご連絡をお願いいたします。
また、個別にお盆法要や初盆法要のお勤めをご希望の方は、お寺までご連絡ください。
お盆は法要のご依頼が重なりますので、お早めのご相談をお願いいたします。

◎秋のお彼岸法要 なごみ庵にて 9月23日(日祝)10時30分より
別紙の通り、絵本『地獄』の朗読と、それにちなんだ法話をいたします。
お彼岸用の法名用紙は、次号に同封いたします。

◎動物追悼法要 なごみ庵にて 10月21日(日)13時より
以前から考えていたペットの追悼法要を、今年からお勤めいたします。
詳細は追ってお知らせいたします。

◇西日本豪雨災害への義捐金
連日報道されています通り、西日本で大雨による甚大な被害が発生しています。
「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の姉妹グループが本願寺広島別院を拠点に活動していますが、現在はボランティアセンターにもなっています。高圧洗浄器などの機器が不足しているとのことなので、なごみ庵に集まった浄財から義捐金を送らせて頂きました。

◦神之木地区センター写経会  8月7日(火)18時30分
◦神之木地区センター笑いヨガ 8月13日(月)10時30分(12月まで毎月第2月曜)
◦死の体験旅行  8月15日(水)19時 豊島区 金剛院
◦自死遺族の集い 8月23日(木)10時30分 築地本願寺

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お花をお供えするということ [その他色々]

近所のスーパーに、仏花に関する貼り紙がありました。
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まさかスーパーで仏教に触れた貼り紙があるとは予想外で、嬉しくなってFacebookに投稿したところ、思いがけず大きな反響がありました。また様々なご意見を頂き、仏花ひとつとっても色々な意味があるのだな、と学ばせて頂きました。

基本的に好意的な意見が多かったのですが、やがて「下と上に書いてあることが矛盾してない?(浄土宗:加用雅信さん)」という意見が出ました。
よく見ると下には「仏さまに仏花をお供えする」という趣旨が書かれていて、上には「仏花は仏さまにお供えするものではない」という趣旨が書いてあります。確かに矛盾していて、一般の方がこれを見たら「どっちやねん」と感じるでしょう。
また上には、「仏花は仏様にお供えするものではない」と言い切っていて、これに違和感を覚える僧侶も多くいらっしゃいました。

上のポップで言いたいことは「仏花は仏さまにお供えするだけの意味ではない」ということでしょう。
「短い期間でしおれ、枯れていく花を見ることによって、いのちの有限性に気づく。そこから故人への思いを深めたり、いま自分が生きていることを感謝するという意味もあるんだよ」と伝えたいのだと思います。

また、このような考え方は浄土真宗的な傾向があります。
浄土真宗では「供養」という概念があまり無く、お供えや法事を「故人のため」というよりは「実は自分に向けられているもの」という捉え方をします。
けれどそれは仏教全体としてはやや特殊な考えともいえ、そこに関しても様々な宗派の僧侶からご意見を頂けましたので、長くなりますがご紹介させて頂きます。


・お経に「願心清浄」とあるように、尊い存在(仏さまやご先祖さま)にお花やお菓子をお供えしたいという、その心が尊いのです(浄土宗:長谷雄蓮華さん)。

・仏花は仏さまにお供えするものであり、回向してこちらを向いていると考えていた(天台宗:小野常寛さん)。

・こういう解釈もありだとは思うけれど、仏さまへのお供えではないと否定している部分はおかしいのではないか(真言宗:塚越秀成さん)。

・真言宗的には、荘厳を整える(美しく飾る)という意味だと思う(真言宗:増田俊康さん)。

・我流だが、仏花はお浄土の美しさ、灯明はお浄土の確かさ・頼もしさ、お香はお浄土の清らかさをそれぞれ表していると説明している(浄土真宗:竹柴俊徳さん)。

・真言宗では場合によってトゲのある植物を使うこともある。また六種供養の考え方から花は忍辱を表すという教えもある(真言宗:色摩真了さん)。

・敬意を込めて物や行いを捧げ奉仕すること、またその善果を回向することの一環として捉えていました(浄土宗:伊藤竜信さん)。

・花は種から芽を出して暑さや寒さに耐えて花を咲かせることから、耐え忍ぶことを表しています。また、花を見る者の怒りを鎮める役割もあります。つまり、仏花を供えるということは耐え忍び、怒るなという教えにつながっています。六波羅蜜の忍辱です(真言宗:中村一善さん)。

それを踏まえて、大きく文章を変えず、より正しく表現すると以下のようになるでしょうか(もとの文案:天台宗:染川智勇さん)
仏花は仏さまにお供えするだけの意味ではない…ってご存知でしたか?
お供えを通して仏さまが説かれた「命あるものはいつか死ぬ」という命のはかなさを再確認させてらうために、生花を供えるのだともいえます。
仏花を見ることで、故人を想い生きている大切さを感じる。
仏花をお参りする人に向けて供えるのには、そんな意味もあるのです。


スーパーの店員さんに聞くと、この貼り紙はジェルフラワーという生花の会社が作ったものとのこと。
http://www.jelflower.com

連絡をとって色々とお伝えさせて頂いたので、そのうちより正確な内容に直っていて欲しいと願っています。

追記:花屋さんに連絡を取ると、この貼り紙を作った方は退職し、連絡の取れない状態とのことでした。どういった経緯で仏花について調べ、この文面を作ったかお聴きしたかったので残念でした。

追記2:禅の世界観では「美しい」と素直に感じた気持ちを尊重し、また「亡き方にお供えしたい」という素直な気持ちを大切にする。不立文字という言葉がある通り、説明より感覚を大切にする(臨済宗:藤尾聡允さん)

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雨の大阪行 その2 [その他色々]

1日目はこちら

そんなこんなで2日目。
台風は日本海側に抜けたものの、大阪は朝から大雨です。

そんな中、「御堂筋」の名称の由来となった浄土真宗の東西本願寺別院をお参りさせて頂きます。
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こちらは大谷派(お東)の難波別院、通称 南御堂
あまり段差のない平たい作りになっていて、その部分が北御堂と対照的です。平成30年7月現在は大掛かりな工事が行われていて、宿泊施設を兼ねた山門を建築しているとのことでした。

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こちらが昨晩も訪れた本願寺派(お西)の津村別院、通称 北御堂
南御堂に比べ上方向に建築されていて、写真では巨大さがイマイチ伝わらない本堂はエレベーターでも上がることができます。

両御堂をお参りした後は、以前からお参りさせて頂きたかった東大阪市 往生院六萬寺さま。こちらはお坊さんQ&A hasunohaで親交のある川口英俊さんが副住職を勤めるお寺です。

往生院六萬寺HP http://oujyouin.com
hasunoha 川口さんページ https://hasunoha.jp/users/16

有名な花園ラグビー場の最寄り、東花園駅まで車でお迎えを頂戴し、大阪を一望できる高台のお寺へ。
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こちらの往生院六萬寺さま周辺は、古くは修験道の修行場だったそうです。しかも、そういった山は女人禁制という場合が少なくありませんが、こちらは男女平等に修行ができる珍しい場所でした。

ごく最近(平成30年4月)に滝行場の跡と思われる台石が発掘され、そこから整備を行い、長い時を経て滝行のお寺として6月末に復活したばかり。
「せっかくですので」とお誘い頂き、私も人生初の滝行にチャレンジさせて頂きました。
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お寺の奥の高台から、さらに山中に踏み込んで10分ほど歩くと滝行場に到着します。
白いふんどしと白衣に着替え、川口さんを導師として読経。

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先に川口さんが見本を見せてくださいました。
大音声で真言を称えていらっしゃるので、雄々しい表情です。

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見よう見まねで私。
真言は知らないので、浄土真宗のお経「重誓偈」を称えますが、フタ空けっぱなしのコーラみたいな表情(笑)
自分が普段、どんな表情で読経しているのかが分かりました (^_^;) 

雨とはいえ蒸し暑い時期でしたので、始める前は「気持ち良さそうだな〜」と思っていましたが、やはりそこは山の水。思ったよりも冷たくて、打たれ続けながら声を出すのは少し難しいほどです。こういう時は、淡々とした読経よりも、声を張って真言を称える方が適しているのだな、と感じました。


ということで2日間の大阪行。
結局プランを立ててて訪れたのは全てお寺でした(笑)。

台風の接近で一時は訪問も危ぶまれましたが、なんとか無事に往復することができました。
ただ、翌日から西日本を中心に記録的な大雨の被害が広がり、多数の犠牲者が出ております。
衷心より哀悼の意を表します。

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雨の大阪行 その1 [死の体験旅行]

大阪にはこれまであまり縁が無かったのですが、浄土真宗本願寺派の青年布教団から「死の体験旅行」のご依頼を受け、同宗派の津村別院に伺うことになりました。ちなみに大阪の方に「津村別院」と言ってもピンと来ず、「北御堂(きたみどう)」と言わなければ伝わりません。有名な歌『雨の御堂筋』は、この北御堂と、真宗大谷派の難波別院(南御堂)が面する大通り(関西では「通り」を「筋」と言うようです)を舞台にしています。

そんなわけで「雨の御堂筋だ〜〜」と大阪行を喜んでいたら、台風7号の影響で2日間とも悪天候になり、ホントに雨の御堂筋をウロウロする羽目になってしまいました (>_<)


それはともかく1日目。
ワークショップは夕方からだったので、早めに大阪に入り、まずは以前から一度お参りしたかった浄土宗の一心寺さまへ。
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一心寺さまは「お骨仏のお寺」として知られています。宗派を問わず参詣者から納められたお骨を預かり、10年ごとに仏像に加工しています。
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写真、白く見えているのが最も新しい14期(平成19〜28年)のお骨仏。先の大阪地震で光背が破損してしまい修復中とのこと。またその右にボンヤリ見えるのは13期のお骨仏。ロウソクのススやお香の煙で、徐々に色が濃くなっていくようです。

雨の中、多くの参詣者がお参りにやってきていました。
年配の女性とその娘らしき二人連れに「いま手を合わせていらっしゃる仏さまに、ご家族のお骨が含まれているのですか?」とお尋ねすると、母親は「そうなんや〜」と仰る。しかし間髪入れず娘さんが「お母さん、お父さんのお骨はあっちや」とツッコんでいて、さすが関西の方はお参りの時もユーモアを忘れないのだと感服しました(笑)。

ちなみにお骨仏は7〜14期までの8体しか無かったので、職員さんに「それ以前のものは?」と尋ねると「戦争で破壊されてしまい、その欠片を拾い集めて作ったお骨仏が7期のものです」とのことでした。


一心寺さまから徒歩で和宗総本山 四天王寺さまに移動します。
こちらは聖徳太子建立と伝わる、日本で最古の寺院のひとつです。もとは天台宗だったようですが、現在は和宗の総本山となっています。

古くはお寺としての機能の他に「四箇院(しかいん)」と呼ばれる人民救済の建築物があり、今風に言えば「総合福祉施設」としての面も持っていたお寺です。
これからのお寺や僧侶は、再びそういった機能を取り戻さなければならないと常々思っていますので、ぜひお参りしておきたいお寺でした。

講題な敷地に様々なお堂や尊像があり、その中には…
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親鸞聖人をまつる見真堂

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かと思えば弘法大師の像や…

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法然上人の像まで!

一心寺さまと同じく、宗派に関わらず多くの方が参詣されるとのことで、様々な方が手を合わせられるような環境が整えられていました。
いえ、整えられていたというよりは、雑然とした信仰を全て懐深く引き受けている、そんな印象を持ちました。


雨で蒸し暑い中でしたが、以前からお参りをしたかった二ヶ寺を巡り、満足感のある大阪行初日でした……
あっ!
も、もちろん夕方から始まるワークショップもしっかりと講師を勤めさせて頂きました。21名の熱心な僧侶の方々にお受け頂き、その後の懇親会も熱のこもったものになりました (^人^)

2日目に続く

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