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2018年12月号 [和庵だより]

◇ おてらおやつクラブ グッドデザイン大賞! ◇

お寺へのお供えものを、お子さんのいる生活困窮家庭におすそ分けし支える活動、「おてらおやつクラブ」が、なんとグッドデザイン賞、しかも最優秀である「大賞」を受賞しました!
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グッドデザイン賞といえば、優れたデザインの製品に送られる歴史ある賞、という認識でしたが、ここに「おてらおやつクラブ」が応募をしたと聞いた時には、頭の中に?マークが浮かびました。よくよく聞くと形のある製品だけでなく、優れたデザインの「仕組み・活動」も選考対象なのだそうです。

今年度の応募総数は4789件。その中から1353件がグッドデザイン賞を受賞し、さらにそこからベスト100が選ばれますが、「おてらおやつクラブ」はそこに残っていました。

特別賞や大賞が東京ミッドタウンで発表されることになり、私も足を運びました。様々な特別賞が発表される中、なんと大賞候補のベスト6に残っています! 他の候補はソニーの犬型ロボットAIBOや富士フイルムのポータブルレントゲンなど、一流企業の渾身の製品が並びます。

そして……「大賞は、『おてらおやつクラブ』!」
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会場に集まった報道陣は「まさかお坊さんが!?」とどよめき、そこに居合わせた私たち僧侶も完全に浮き足立ちました(笑)。大賞をお坊さんが取るのはもちろん初、製品でない仕組み・活動が取るのも初、企業ではなくNPOが取るのも初という、異例の初物づくしだったそうです。

大きな賞を取っても活動内容が変わるわけではありません。なごみ庵もこれまで通り、毎月第2水曜日に神奈川区の社会福祉協議会にお菓子をお持ちしてまいります。お供えはなるべく日持ちの良い、個包装のものをお願いします。


◎ お 知 ら せ ◎

◎おてランチ 〜語らい&味わい〜 11月20日(火)11時より 参加費1000円
「ひとり暮らしの会」の名称を変え「おてランチ」といたしました。
語らいと食事を楽しむひと時、どうぞご参加ください。
準備の都合上、参加の人数をお知らせください。

◎自死・自殺に向き合う僧侶の会 自死者追悼法要 12月1日(土) 築地本願寺にて
例年どおり、自死者追悼法要を開催いたします。詳細はどうぞお尋ねください。

◎なごみ庵 報恩講法要 12月9日(日)13時より ※別会場にて ※要申し込み
お申し込みの人数が、コンパクトな当庵に入りきれない数になりましたので、今年は別会場での開催となります。

◎死の体験旅行 in なごみ庵 12月24日(月・祝日)14時より 受講費3000円
今まで平日夜に池袋の寺院で開催してきましたが、各方面から要望を頂き、なごみ庵でも今後開催していくこととなりました。定員9名、要予約になります。

◎二歳参り 12月31日(月)22時より
今年も大みそかの夜10時から、「二歳参り(ふたとせまいり)」を行います。
のんびりとご歓談いただき、年越しの時間はお経とお念仏で過ごします。

◦神之木地区センター写経会 12月4日(火)18時30分
◦神之木地区センター笑いヨガ 12月10日(月)10時30分
◦死の体験旅行 12月12日(水)19時 豊島区 金剛院/12月24日(月・祝日)14時 なごみ庵
◦自死遺族の集い 11月22日(木)/12月27日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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「死の体験旅行」in 仏教伝道協会 [死の体験旅行]

漢字ばかりのタイトルになってしまいましたが、2018年11月10日、東京都港区にある仏教伝道協会の特別企画で「死の体験旅行」を開催させて頂きました。
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様々な活動をしている仏教伝道協会さんですが、昨年から「各宗派の体験+食」という切り口で講座を開いているそうです。昨年は曹洞宗、広島の吉村昇洋さんによる『知っておきたい禅と食』。
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曹洞宗の体験といえば坐禅や食事の作法、また調理も修行の一環と考える曹洞宗がこの企画のトップバッターに選ばれたのは当然と言えるでしょう。

そして2年目の企画で選ばれたのは、スイーツ僧侶として名高い神谷町光明寺の木原祐健さんの「仏教甘味」、そして私が開催する「死の体験旅行」のコラボレーション。

「死」と「スイーツ」なんて両極端のようですが、でも仮想の死を体験した後に生きる象徴である食の体験をするのは、より「生」を味わい深く感じられることに繋がるのではないかと思います。

まずはいつも通り、「死の体験旅行」を進め、ワークショップを終えたところで休憩。
その後、木原さんがみっちり準備していたスイーツタイムで皆さんホッとひと息つきます。
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最後に私からワークショップに関する法話をさせて頂き、会は終了となりました。

いつもと違う会場で、想定外のこともいくつか起こりましたが良い経験・良い勉強になりました。
準備をしてくださった仏教伝道協会の皆さん、また黄泉がえった参加者を甘味で癒やしてくださった木原さん、有り難うございました! (^人^)

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木原さんとのツーショット♬

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2018年11月の法話 [月々の法語]

今年は親鸞聖人のお言葉を、弟子の唯円(とされています)が聞き書きをした『歎異抄(たんにしょう)』を題材としてお話しさせて頂いています。
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第七条は比較的短いので、まず全文を見てましょう。

念仏者は無碍の一道なり。
そのいはれ、いかんとならば、信心の行者には、天神・地祇も敬伏し、魔界・外道も障碍することなし。
罪悪も業報を感ずることあたはず、諸善もおよぶことなきゆゑなりと云々。

「無碍」とは、妨げるものが無い、という意味です。
念仏を大切にする人々には妨げが無い、という一文で始まります。

その理由として、念仏者は天神・地祇が敬い、魔界・外道もさまたげとはならない、と書かれています。
また、自らが為した罪悪も報いを恐れる必要がなく、どのような善行も念仏には及ばない、と続きます。
これは一体どういうことでしょうか?
そんなバカな! と思われたかもしれません。


21世紀になって10年以上が過ぎ、平成も終わろうとしています。
しかし現代においても、私たちは目に見えないものに左右されて生きています。
たとえば占い、たとえば大安や仏滅、たとえば厄年、たとえばスピリチュアル……

科学の発展した現代でさえそうなのですから、親鸞聖人の生きた平安鎌倉時代はどれほど生活が左右されていたことでしょうか。2012年の大河ドラマ『清盛』では、身分の高い登場人物が病気になると、隣の部屋に大勢の僧侶を招いて回復を祈る儀式を執り行うシーンが映されていました。

その時代に親鸞聖人は、「目に見えないものに恐れおののくことはないのですよ、南無阿弥陀仏と称える皆さんは阿弥陀さまに守られているのですよ」と説かれたのです。
その言葉は、不安のなかに生きる人々をどれだけ勇気づけたでしょうか。

仏教で「三施」という言葉があり、そのひとつに「無畏施」があります。
「畏れ(おそれ)」を「無」にする施しです。
また仏教者(法華信者)である宮沢賢治の『雨ニモマケズ』に、「南に死にそうな人あれば、行ってこわがらなくてもいいと言い」とあります。

「そんなバカな!」と感じたかもしれないこの条ですが、実は仏教の大切な要をおさえているのです。


追記
「天地の神々が念仏者を敬う」という部分ですが、仏教では天地の神々もまだ迷いの世界にある存在とされています。
一方、仏教の最終目的は、悟りを開いて迷いから解脱した「仏」に成ることとされています。

念仏を称えた者は阿弥陀仏に救いとられ、必ず悟りにいたる「不退転」という状態になります。
ですので、まだ迷いから解脱できていない神々から念仏者が敬われるということになります。

追記2
「外道」という言葉が出てきます。
現在では悪逆非道な人に対して、「この外道!」などと言いますので(実際に言ったことはありませんが)悪い意味の言葉になっていますが、もともとはそれほど悪い意味ではありません。

お釈迦さまの時代は、従来のスタンダードな宗教であるバラモン教から離れ、自由な宗教者や思想家が新しい教えを説く時代でした。
その中で、お釈迦さまと弟子たちから見た「外(ほか)の道」を「外道」と呼びました。ですので必ずしも「悪」や「よこしま」「過ち」といったニュアンスの言葉ではありません。

追記3
親鸞聖人の時代、不安の中に生きる人々をどれだけ勇気づけたでしょうか、と書きましたが、それは当時の人に止まる話ではありません。
今の時代でも未来であっても、人間が生きている限り欲求は尽きることはありませんし、目に見えないものに振り回されることが止むことはないでしょう。
そういった不安を払拭するのが、この親鸞聖人の言葉であると思います。

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方丈社HPで連載スタート! [死の体験旅行]

東京 神保町に「方丈社」という小さな出版社があります。
よく禅宗の僧侶を「方丈さん」と呼ぶので、最初は仏教関係の出版社かと思ったのですが、小さな出版社ということでこの名前になったのだそうです。

「死の体験旅行(R)」に関して色々な出版社からお声をかけて頂いているのですが、この出版社のかたはワークショップそのものではなく、「受けた人の感想や気持ちにフォーカスをあてて」と仰って頂いたのが特徴的でした。
また、「まずは出版社のHPで連載をしてみませんか」という提案もありました。

ということで準備をしてきた連載。
2018年10月31日にスタートしました。
http://hojosha.co.jp/free/experienceofdeath
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最初は「死の体験旅行」の概略について書きましたが、次回からは実際の受講者の感想などを書いていきたいと思います。
たま〜〜にのぞいて頂くと、新しい記事になっているかもしれません。
どうぞ気長にお見守りください (^人^)

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おてらおやつクラブ グッドデザイン大賞! [その他色々]

当日(2018.10.31)にFacebookで速報を流しましたが、改めて「貧困問題解決に向けてのお寺の活動 おてらおやつクラブ」がグッドデザイン賞、しかも大賞を受賞したことについて、詳しく記します。
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アルファベットの「G」がナナメになったグッドデザインのロゴ、日本で目にしたことが無い人はいないと思います。その名称どおり、「良いデザイン、素晴らしいデザイン」の製品に贈られる賞と思っていましたが、最近では製品の背景にある思想が評価されたり、活動や取り組みといったものも賞の対象になるのだそうです。

2018年の審査対象数は4789件の製品や活動。
その中から1353件がグッドデザイン受賞。
さらにベスト100が選ばれ。
大賞候補が6件に絞られ。
差のつかなかった2候補による決選投票。
そして大賞に輝いたのが「おてらおやつクラブ」だったのです!!

決選投票の残ったもうひとつの候補は、台湾の企業が展開する電気スクーター。
街中に数多く存在するステーションで容易に充電やバッテリー交換ができ、排気ガスも発生しないなど、製品プラス社会性といった部分が評価をされたようです。


さて!
「おてらおやつクラブ」ですがこれは奈良の浄土宗 安養寺(あんようじ)の住職 松島靖朗さんが始めた取り組み。
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きっかけ2013年に大阪で起こった母子餓死事件。生活に困窮していた母子家庭で親子とも餓死をしてしまい、部屋からは「最後にお腹いっぱい食べさせてあげたかった…ごめんね」という母親のメモが見つかりました。
日本の子どもの貧困率は高く、目には見えにくいですが7人に1人が貧困状態です。

いっぽう、全国に7万5千あるというお寺には(個体差はありますが)、お菓子や果物、お米などのお供え物が集まります。
それが全てお寺の家族や行事などで使いきれているかというと、お寺の家族も核家族化していたり、お盆やお彼岸などの時期に集中的に集まったりと、消費しきれていないという現実があります。

そこで松島さんは、お供えを生活困窮家庭(母子家庭の割合が非常に多いそうです)におすそわけする取り組みを思いつきました。

また、ただ食品を渡しておしまいではなく、手渡ししたり宅急便で送ったりしながら、気にかけている人がいるよ、見守っている人がいるよ、という安心感を与えること。本当に困った時に頼ってもらうキッカケをつくること。つまり孤立をさせないということが真の目的です。

戦後の日本のように、貧しいけれど親戚や近所との繋がりがあれば、それは単に「貧乏(貧しく、乏しい)」なだけですが、そこに孤立が加わると「貧困(貧しく、困っている)」となります。

お寺だけで、全ての貧困問題を解決できるわけでは到底ありません。
しかしお寺による見守りがあって、少なくとも「貧困」状態の改善を図ることができます。


この取り組みの良い点は、数多くのお寺が無理のない範囲で活動に参加できることです。
2018年10月現在、全国975の寺院が参加していますが、たくさんの食品を集め月に何回も発送するお寺もあれば、年に1度の行事の時だけ発送するというお寺もあります。

実は、なごみ庵も早い段階から参加しています。
最初は手を上げてはみたものの、関西から始まったこの取り組み、当時は神奈川県に支援対象者が無く、「遠方の支援先に送ってもらうか、自分で支援先を探してみてください」という状況でした。

まず区役所に行き、そこから横浜市神奈川区の社会福祉協議会を紹介していただきました。
そこではちょうどタイミング良く、小学校の教員OBによる学習支援活動が始まっており、そこに集まる子どもたちにお菓子を提供することになりました。
また後に同じ神奈川区で、外国に縁のある子どもの学習支援をしているグループにもお菓子を提供することになりました。

両者とも学習支援の団体ですから、貧困家庭に直結しているわけではありません。
しかしここに集まる子どもは家庭に何らかの問題がある場合もあり、その中にはもちろん貧困も含まれます。
また学習が遅れている子どもたちが将来的に貧困状態になる可能性もあるので、広い目で見て「おてらおやつクラブ」の名のもとに支援をさせていただくことになりました。

ということで、なごみ庵にお参りの際はぜひ、保存期間が長くて小分けできるお菓子をお選びください!
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